MS Office 2019のSVG機能は「使える」のか?
マイクロソフトからMS Office 2019からのSVG対応がアナウンスされました。長年MS Officeで使えるベクタ画像形式は実質.wmfと.emfに限られていましたが、.svg対応となると他ソフトウェアとの互換性が格段に良くなるので期待大です。そこで、実際どこまで使えるのか、気になる点を確認しました。
- まともに.svgを読めるか?
→ ちゃんと読める。複雑なタグを持つファイルを色々試してみたが、レイアウトが崩れることはなかった(試した限りでは)。 - .svg書き込みはできるか?
→ できる。 - .svgのまま保存されるか?
→ .svgのまま保存される。ドキュメントをzipリネームして解凍すると普通に取り出せる。 - メタデータは保持されるか?
→ されない。完全に再解釈されて意味消失したパスだらけのSVGになる。セキュリティ上の問題回避なのかもしれないが、もし保持されるのなら色々な応用があったと思うのでちょっと残念。 - 読み込んだ.svg画像を.emfに変換できる?
→ できる。透過や半透明も保持される。たぶん現在最も優秀なSVG→EMFコンバーター。まぁ本家本元というか、EMF規格自体がMS Officeに合わせて出来たみたいなもんなので、当然といえば当然か。 - 埋め込んだ.svg画像はOffice 2016以前ではどういう風に表示される?
→ ラスタ化された.png画像として表示される。一番気になっていた部分だが、一番普通の結果だった。ラスタ化はされてしまうが、生成される.png画像はちゃんと高解像度なので、実用上はまず困らんなという感じ。また、オリジナルの.svg画像も別で保持されているので、「Office 2019で.svg埋め込み → Office 2016で開いて編集 → Office 2019で再度開く」という経路をたどっても、Office 2019ではちゃんとベクタイメージとして表示される。
結論
MS Office 2019のSVG入出力は「普通に優秀」。
積極的に使う価値がありそう。